04.28.21:02
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01.22.23:59
リフレッシュ。
やっぱ、書くのと言うのは違うわ。
分かってたけど、再認識。
すっきりしたわ……相変わらず姫はツンツンのままですけど(苦笑)。
今、姫で書いているんですが、とりあえず接続はほっといて、蔵書整理始めました。
いや、そんな大げさな物ではなくて(大げさじゃなくて、壮大なこと、ですか)、貸した物とそうでない物のデータ的な整理をしようと思いました。
(あくまで、データ。つまりは……本はそこに置き去りです……床に段ボールで山積み。いい加減……古いのとか、読まないであろう物は捨てたい。つか、売りたい。1000冊ぐらい絶対にある、売る本。業者にトラックで査定に来て貰っていい。……いや、売れないのもあるけどね! ←どっちだ!)
一ヶ月50冊ペースで増殖していく、マンガの棚。
……いや……50冊じゃないか……70冊……以上……?
だって10冊4千円〜6千円弱でしょう?
コミッスだけでも、月に4〜5万かけてるわけですから……6千円計算でも80冊以上……ですか……。
いかん。
いかんよ、君。
買っちゃう病気、収めないと。
読んでない本が相当あるしねぇ……小説も。
借りっぱなしですよ、小説。
いかんいかん……1巻2巻読んで止まってるって、終わってる……。
ダメな人……。
というわけで、だらだらしないでデータ整理しようかと思ったんですけど。
結局の所、本を片付けられていない所で、だらだら決定。
しかしホント……どうにかしないとまずいよなぁ……。
あ、このあと(続き、の所に)、ちょっと書く予定。
小説。
エルの話。
以前から書こう、書きたい、と思ったワンシーンで(SSですらない)、でも書くタイミングを逃したというか、なんか踏ん切り付かなかったシーンでございます。
ずっと燻ってた感じ。
でも、コレ書いたら先に進めるかしら……。
案外パンチ食らってたのかも……自分のパンチでミゾオチにガツンと。
ファラン殺したこと……というか、ファランが死んだ後のエルの壊れた話が。
思えばああいう形でキャラを殺したのは初めてだったし。
といっても、、やっぱり曲の力を借りた感じで。
土岐さんの新しいアルバムに入ってたCMの曲(車の方の。あんな歌詞だとは思わなかった……なんてぴったり。ていうか、こっこの遺書とか、木蓮の涙とか(あぁ、歌っていたグループの名前出てこないっ……竹善さんがカバーしていたんだけどっ)ぴったりくるのはいくらでもあるんですけど。遺書はファラン側の話だけど、歌詞の口調が女性だからちょっとアレですけど……やっぱ土岐さんはすげーなー……)に押されまして。
とりとめもなく、シーンを書いてみようとか。
ホントはこう言うの、マンガの方が良いんだけどなぁ……。
絶対、思いを書ききれない(小説でも書ききれませんよ、きっと……)。
Small World −For After Day−
窓辺に椅子を置いて、窓枠に肘をついて外を眺めた。
(貴方が好きだった花……貴方が好きな色に染めた門……あれは、貴方がペンキを塗ったんだった……。まるで箱庭……あの人の、全て……私のために用意してくれた……世界)
『あの家』はどこもかしこも、ファランがエルハザードのために造ったものだった。
書庫も、背の高い彼には不満だったであろう低さで、でも背の低いエルハザードには丁度良い高さで。
背伸びするだけで届くように、一番上は低く誂(あつら)えてあった。
そう。
あの、家。
ここはもう違う。
ファランがエルハザードのために造った家は、もう何処にも存在しない。
理性が飛んでいたとはいえ、自ら壊したという事実はかなり痛い。
(あの人のくれた、最後の世界なのに……)
全てがそこに完結していた。
自分の人生、そして幸せも、全部。
そこにあったのに……。
「……華蒼の」
呼ばれて、ハッとした。
振り返ると、ドアをノックするように拳をドアに当てたままの姿勢で立っていた男性が見える。
「朱金の」
狂いかけた自分を止めてくれた人。
「ノックしたんだが……具合はどうだ? あまり気分がすぐれないのか?」
「……ううん、そんなことはないわ。ちょっと思い出していただけよ」
肩をすくめて立ち上がる。
ソファーをてでさして勧めると、朱金の———アサルトはドアを閉めてゆっくりとした足取りでソファーに向かう。
「もう……何もないのだと」
彼の造ってくれた世界は勿論、彼のために集めた医学の資料から、思い出の物まで……全て。
この部屋にある物は、友人らが揃えてくれた物。
いや、違う。
この男、アサルトが買いそろえてくれたのだ。
その礼もいわずに、思えばずーっと暮らしている。
あの時は本当に、自分を完全に見失っていた。
ただひたすら本能のように、彼を生き返らせることばかり考えていて。
正気を取り戻しても、完全に戻れるわけではなかった。
ただ、闇雲に錬金術を使わないだけで……彼が帰ってくることは願ったし、寂しさに二度と返ってこないことも痛感したし、それでまた……ぼんやりと日々を過ごした。
ぼんやりとしているのは、今も変わらないかも知れない。
「すまなかった」
いわれて、エルハザードはハッとした。
「違う。責めているわけではなくて……元はといえば私があんな事をしでかして、3人の制止の声も聞かずに……自らやらかしたこと、でしょ。ごめんなさい、責めたわけじゃないの。後悔していたのよ」
ふぅ、とため息をついた。
息苦しい。
自分の部屋なのに、自分の部屋ではないみたいな……本当に居場所が他にあるみたいに。
陸にあげられた魚のようだ。
俯いて顔に手をやる。
具合が悪いのかと言われればそうかも知れないが、これは明らかに気分が落ち込んだためのだるさだ。
「すまないとは思うが……」
繰り返すアサルトに、エルハザードは顔を上げて「だから……」と言おうとして遮られた。
真っ直ぐこちらを見つめるアサルトと視線がかち合う。
「私は後悔していない」
心臓が跳ねた。
どういう意味なのか、とエルハザードはかすかに頭を振る。
彼は「後悔していない」ことを「すまないと思う」と言ったのだ。
後悔「していない」という事実をすまないと?
意味が分からない。
「……貴方が後悔することはないと思うけど?」
「君がこんなにも落ち込んで苦しんでいるが……それで良かったと思っている」
カッとこめかみのあたりに火が付いた気がした。
眉間にしわが寄る。
「私が落ち込んでいて……嬉しいと?」
「……言葉が違ったようだ。嬉しいという意味ではない。君が、あの家を……世界を失ったことが、良かった、と言った」
エルハザードには同じ言葉に聞こえた。
失ったことが、いい?
冗談ではない。
あれは……。
「あれは私の全てだったッ!!!! 失って良いはずがないでしょおッ!?」
立ち上がり、殴りかからんばかりの声で怒鳴った。
ヒステリックな声は、きっと外まで聞こえただろう。
だが、そんなことは気にしていられない。
ここまで怒りに頭が真っ白になったのは久しぶりだ。
「華蒼の」
「アレが全てだったの! 私にはもう何もないの! アレだけが私の……ッ! 私の……生きる意味だったのに……———!」
涙が溢れる。
涙腺がおかしくなったんじゃ無かろうか、という程に、止めどなく溢れる涙を、拭うこともなくエルハザードはただただ、怒鳴り散らす。
それは、ただの八つ当たりだった。
でもそんなことも気づけないほどに、怒りに我を忘れていた。
本当に……真っ白に。
どれほど、泣き続けたのだろうか。
アサルトはただ冷静に、エルハザードを見つめ、その怒りを聞いた。
受け止めた、というのだろうか。
肩で息をしながら、エルハザードはアサルトを見た。
否、ずっとアサルトを見て喚き散らしたはずなのに……彼が見えていなかったのだ。
「……ごめんなさい……八つ当たりだわ」
深呼吸をして、ゆるゆるとソファーに座る。
「貴方に言ったんじゃない。多分……いえ、きっと自分に……言いたかったことなんだわ」
「いや、言わせたのは私だ……君はこうやって感情を整理するタイプだと思っていた。だから……彼が亡くなった時もちゃんとこうして吐き出さなかったから、あんな事になったと思っている。そしてそれによって全てを失った君がまた……感情を吐き出せずにずっとここまで来たことが、気になっていた」
自分がどういうタチなのか。
それを知らず知ってくれていたことに、エルハザードは驚き……顔が赤面した。
「お、お手数を……」
声が小さくなる。
自分をヒステリックにさせるために、こんな理不尽な役を買ってくれたことが、たまらなく恥ずかしい。
(私は小さな子どもと同じだわ……っ)
「いや、言ったことは全部、本当だ」
「……え?」
「君が失って良かった、と言ったのは本心だし、本当に、焼き払ったことは後悔していない」
先ほどと違って、その言葉はエルハザードには素直に耳に入ってきた。
「……どうしてそれを私に言うの?」
そう、わざわざそんなことを。
「君が……彼が居なくなったこの世界にある、たった一つ彼が残っている家に、1人残しておきたくなかった」
息が止まる。
彼の言葉がゆっくりと耳から入り、思考をゆっくりと回す。
彼が残る家に、彼女が居ることが嫌だと、言ってるのだ。
「また私がおかしくなるから……?」
「……私が何故、あの時君の家を訪ねたのか……」
そうだ。
連絡が取れないから、不審に思って来た、と。
おかしいと疑えば、確かにおかしな話だ。
だってそれまで自分たちは、ただ国家錬金術師というだけで、そんなに接点がなかった……。
名前は勿論知っていた———親友・リザと付き合っていたのだから。
「あの時はただ漠然とした物だったが、今なら分かる」
立ち上がり、エルの傍に歩み寄り、足下に跪いた。
「君が気にかかった。そして、心配だった。君を助けたい思った。君を一刻早く、彼の世界から救い出さなければならないと思った。だから……後悔していない。破壊するつもり無かったけれど、あそこから連れ出すために……行ったんだ」
そっとエルハザードの手を取る。
「君を、迎えにいった」
「……何を……バカなこと……っ」
強がるようにいうのが精一杯だった。
言葉にならない。
「私はそんなに軽い女じゃないわ」
「知ってる。だから、破壊したことは……後悔していない。あそこまでしないと、君は絶対あそこからは出なかった」
「自信家は嫌いだったのよ……昔は」
苦笑する。
そうだ。
一番初めの自信家はファランだった。
自分の考えを先回りして、自分の方を向くように仕向ける。
向けば……惚れると思っていたかのような発言もあった。
本当に、大嫌いだったのに。
「あの人のような自信家にはなれない。あの人のように、貴方の全てを許し、受け入れることもきっと出来ない。そんな器は大きくない……でも、君を離す気にはない」
ぎゅっと、手を握る。
「……それも十分、自信家よ」
その手を不快だと思わなかったその瞬間に、世界は新しくつくられ、元の世界は変化していく。
「きっと、忘れない……あの人の残した世界を、忘れないわ。だって……余りに私に優しいもの」
肩をすくめる。
ぬるま湯のようにいつまでも浸かっていたい。
何でも許し、何処までも守ってくれた、あの人の世界。
忘れるわけがない。
「でも、空っぽになってしまったその世界に、貴方が入って変化するのも……悪くないと思う自分も居るのよ……」
変わっていく世界。
さしのべられた手に、エルハザードは乗りかかることにした。
「私はわがままよ? 後悔したって、知らないんだから……」
「……後悔なんて、良いだけすればいい。君がいるなら構わない」
肩をすくめて、天井を仰いだ。
「なぁんだ……やっぱり、私に甘い世界なんだわ、この世界は……」
なんか、終わらせ方を忘れた……。
元々苦手だったのに。
どうしたらいいものか……というか、小説の書き方忘れている気がする。
た、ばっかりな語尾に、オロオロしてみたり。
ていうか、あれ……家は直していただけだったっけ!?
なんかもう、あの時はこじつけでアサルト出したクセに、この話では「必然」になってますよ。
なんて都合の良い話なんだ……っ。
とりあえずこれは、あの病院でお姫様抱っこ事件、の後ぐらいを想定していただければ……という感じです。
妊婦口説く男って……なんか、ヤラシイよね……(させたのアンタだし……)。
分かってたけど、再認識。
すっきりしたわ……相変わらず姫はツンツンのままですけど(苦笑)。
今、姫で書いているんですが、とりあえず接続はほっといて、蔵書整理始めました。
いや、そんな大げさな物ではなくて(大げさじゃなくて、壮大なこと、ですか)、貸した物とそうでない物のデータ的な整理をしようと思いました。
(あくまで、データ。つまりは……本はそこに置き去りです……床に段ボールで山積み。いい加減……古いのとか、読まないであろう物は捨てたい。つか、売りたい。1000冊ぐらい絶対にある、売る本。業者にトラックで査定に来て貰っていい。……いや、売れないのもあるけどね! ←どっちだ!)
一ヶ月50冊ペースで増殖していく、マンガの棚。
……いや……50冊じゃないか……70冊……以上……?
だって10冊4千円〜6千円弱でしょう?
コミッスだけでも、月に4〜5万かけてるわけですから……6千円計算でも80冊以上……ですか……。
いかん。
いかんよ、君。
買っちゃう病気、収めないと。
読んでない本が相当あるしねぇ……小説も。
借りっぱなしですよ、小説。
いかんいかん……1巻2巻読んで止まってるって、終わってる……。
ダメな人……。
というわけで、だらだらしないでデータ整理しようかと思ったんですけど。
結局の所、本を片付けられていない所で、だらだら決定。
しかしホント……どうにかしないとまずいよなぁ……。
あ、このあと(続き、の所に)、ちょっと書く予定。
小説。
エルの話。
以前から書こう、書きたい、と思ったワンシーンで(SSですらない)、でも書くタイミングを逃したというか、なんか踏ん切り付かなかったシーンでございます。
ずっと燻ってた感じ。
でも、コレ書いたら先に進めるかしら……。
案外パンチ食らってたのかも……自分のパンチでミゾオチにガツンと。
ファラン殺したこと……というか、ファランが死んだ後のエルの壊れた話が。
思えばああいう形でキャラを殺したのは初めてだったし。
といっても、、やっぱり曲の力を借りた感じで。
土岐さんの新しいアルバムに入ってたCMの曲(車の方の。あんな歌詞だとは思わなかった……なんてぴったり。ていうか、こっこの遺書とか、木蓮の涙とか(あぁ、歌っていたグループの名前出てこないっ……竹善さんがカバーしていたんだけどっ)ぴったりくるのはいくらでもあるんですけど。遺書はファラン側の話だけど、歌詞の口調が女性だからちょっとアレですけど……やっぱ土岐さんはすげーなー……)に押されまして。
とりとめもなく、シーンを書いてみようとか。
ホントはこう言うの、マンガの方が良いんだけどなぁ……。
絶対、思いを書ききれない(小説でも書ききれませんよ、きっと……)。
Small World −For After Day−
窓辺に椅子を置いて、窓枠に肘をついて外を眺めた。
(貴方が好きだった花……貴方が好きな色に染めた門……あれは、貴方がペンキを塗ったんだった……。まるで箱庭……あの人の、全て……私のために用意してくれた……世界)
『あの家』はどこもかしこも、ファランがエルハザードのために造ったものだった。
書庫も、背の高い彼には不満だったであろう低さで、でも背の低いエルハザードには丁度良い高さで。
背伸びするだけで届くように、一番上は低く誂(あつら)えてあった。
そう。
あの、家。
ここはもう違う。
ファランがエルハザードのために造った家は、もう何処にも存在しない。
理性が飛んでいたとはいえ、自ら壊したという事実はかなり痛い。
(あの人のくれた、最後の世界なのに……)
全てがそこに完結していた。
自分の人生、そして幸せも、全部。
そこにあったのに……。
「……華蒼の」
呼ばれて、ハッとした。
振り返ると、ドアをノックするように拳をドアに当てたままの姿勢で立っていた男性が見える。
「朱金の」
狂いかけた自分を止めてくれた人。
「ノックしたんだが……具合はどうだ? あまり気分がすぐれないのか?」
「……ううん、そんなことはないわ。ちょっと思い出していただけよ」
肩をすくめて立ち上がる。
ソファーをてでさして勧めると、朱金の———アサルトはドアを閉めてゆっくりとした足取りでソファーに向かう。
「もう……何もないのだと」
彼の造ってくれた世界は勿論、彼のために集めた医学の資料から、思い出の物まで……全て。
この部屋にある物は、友人らが揃えてくれた物。
いや、違う。
この男、アサルトが買いそろえてくれたのだ。
その礼もいわずに、思えばずーっと暮らしている。
あの時は本当に、自分を完全に見失っていた。
ただひたすら本能のように、彼を生き返らせることばかり考えていて。
正気を取り戻しても、完全に戻れるわけではなかった。
ただ、闇雲に錬金術を使わないだけで……彼が帰ってくることは願ったし、寂しさに二度と返ってこないことも痛感したし、それでまた……ぼんやりと日々を過ごした。
ぼんやりとしているのは、今も変わらないかも知れない。
「すまなかった」
いわれて、エルハザードはハッとした。
「違う。責めているわけではなくて……元はといえば私があんな事をしでかして、3人の制止の声も聞かずに……自らやらかしたこと、でしょ。ごめんなさい、責めたわけじゃないの。後悔していたのよ」
ふぅ、とため息をついた。
息苦しい。
自分の部屋なのに、自分の部屋ではないみたいな……本当に居場所が他にあるみたいに。
陸にあげられた魚のようだ。
俯いて顔に手をやる。
具合が悪いのかと言われればそうかも知れないが、これは明らかに気分が落ち込んだためのだるさだ。
「すまないとは思うが……」
繰り返すアサルトに、エルハザードは顔を上げて「だから……」と言おうとして遮られた。
真っ直ぐこちらを見つめるアサルトと視線がかち合う。
「私は後悔していない」
心臓が跳ねた。
どういう意味なのか、とエルハザードはかすかに頭を振る。
彼は「後悔していない」ことを「すまないと思う」と言ったのだ。
後悔「していない」という事実をすまないと?
意味が分からない。
「……貴方が後悔することはないと思うけど?」
「君がこんなにも落ち込んで苦しんでいるが……それで良かったと思っている」
カッとこめかみのあたりに火が付いた気がした。
眉間にしわが寄る。
「私が落ち込んでいて……嬉しいと?」
「……言葉が違ったようだ。嬉しいという意味ではない。君が、あの家を……世界を失ったことが、良かった、と言った」
エルハザードには同じ言葉に聞こえた。
失ったことが、いい?
冗談ではない。
あれは……。
「あれは私の全てだったッ!!!! 失って良いはずがないでしょおッ!?」
立ち上がり、殴りかからんばかりの声で怒鳴った。
ヒステリックな声は、きっと外まで聞こえただろう。
だが、そんなことは気にしていられない。
ここまで怒りに頭が真っ白になったのは久しぶりだ。
「華蒼の」
「アレが全てだったの! 私にはもう何もないの! アレだけが私の……ッ! 私の……生きる意味だったのに……———!」
涙が溢れる。
涙腺がおかしくなったんじゃ無かろうか、という程に、止めどなく溢れる涙を、拭うこともなくエルハザードはただただ、怒鳴り散らす。
それは、ただの八つ当たりだった。
でもそんなことも気づけないほどに、怒りに我を忘れていた。
本当に……真っ白に。
どれほど、泣き続けたのだろうか。
アサルトはただ冷静に、エルハザードを見つめ、その怒りを聞いた。
受け止めた、というのだろうか。
肩で息をしながら、エルハザードはアサルトを見た。
否、ずっとアサルトを見て喚き散らしたはずなのに……彼が見えていなかったのだ。
「……ごめんなさい……八つ当たりだわ」
深呼吸をして、ゆるゆるとソファーに座る。
「貴方に言ったんじゃない。多分……いえ、きっと自分に……言いたかったことなんだわ」
「いや、言わせたのは私だ……君はこうやって感情を整理するタイプだと思っていた。だから……彼が亡くなった時もちゃんとこうして吐き出さなかったから、あんな事になったと思っている。そしてそれによって全てを失った君がまた……感情を吐き出せずにずっとここまで来たことが、気になっていた」
自分がどういうタチなのか。
それを知らず知ってくれていたことに、エルハザードは驚き……顔が赤面した。
「お、お手数を……」
声が小さくなる。
自分をヒステリックにさせるために、こんな理不尽な役を買ってくれたことが、たまらなく恥ずかしい。
(私は小さな子どもと同じだわ……っ)
「いや、言ったことは全部、本当だ」
「……え?」
「君が失って良かった、と言ったのは本心だし、本当に、焼き払ったことは後悔していない」
先ほどと違って、その言葉はエルハザードには素直に耳に入ってきた。
「……どうしてそれを私に言うの?」
そう、わざわざそんなことを。
「君が……彼が居なくなったこの世界にある、たった一つ彼が残っている家に、1人残しておきたくなかった」
息が止まる。
彼の言葉がゆっくりと耳から入り、思考をゆっくりと回す。
彼が残る家に、彼女が居ることが嫌だと、言ってるのだ。
「また私がおかしくなるから……?」
「……私が何故、あの時君の家を訪ねたのか……」
そうだ。
連絡が取れないから、不審に思って来た、と。
おかしいと疑えば、確かにおかしな話だ。
だってそれまで自分たちは、ただ国家錬金術師というだけで、そんなに接点がなかった……。
名前は勿論知っていた———親友・リザと付き合っていたのだから。
「あの時はただ漠然とした物だったが、今なら分かる」
立ち上がり、エルの傍に歩み寄り、足下に跪いた。
「君が気にかかった。そして、心配だった。君を助けたい思った。君を一刻早く、彼の世界から救い出さなければならないと思った。だから……後悔していない。破壊するつもり無かったけれど、あそこから連れ出すために……行ったんだ」
そっとエルハザードの手を取る。
「君を、迎えにいった」
「……何を……バカなこと……っ」
強がるようにいうのが精一杯だった。
言葉にならない。
「私はそんなに軽い女じゃないわ」
「知ってる。だから、破壊したことは……後悔していない。あそこまでしないと、君は絶対あそこからは出なかった」
「自信家は嫌いだったのよ……昔は」
苦笑する。
そうだ。
一番初めの自信家はファランだった。
自分の考えを先回りして、自分の方を向くように仕向ける。
向けば……惚れると思っていたかのような発言もあった。
本当に、大嫌いだったのに。
「あの人のような自信家にはなれない。あの人のように、貴方の全てを許し、受け入れることもきっと出来ない。そんな器は大きくない……でも、君を離す気にはない」
ぎゅっと、手を握る。
「……それも十分、自信家よ」
その手を不快だと思わなかったその瞬間に、世界は新しくつくられ、元の世界は変化していく。
「きっと、忘れない……あの人の残した世界を、忘れないわ。だって……余りに私に優しいもの」
肩をすくめる。
ぬるま湯のようにいつまでも浸かっていたい。
何でも許し、何処までも守ってくれた、あの人の世界。
忘れるわけがない。
「でも、空っぽになってしまったその世界に、貴方が入って変化するのも……悪くないと思う自分も居るのよ……」
変わっていく世界。
さしのべられた手に、エルハザードは乗りかかることにした。
「私はわがままよ? 後悔したって、知らないんだから……」
「……後悔なんて、良いだけすればいい。君がいるなら構わない」
肩をすくめて、天井を仰いだ。
「なぁんだ……やっぱり、私に甘い世界なんだわ、この世界は……」
なんか、終わらせ方を忘れた……。
元々苦手だったのに。
どうしたらいいものか……というか、小説の書き方忘れている気がする。
た、ばっかりな語尾に、オロオロしてみたり。
ていうか、あれ……家は直していただけだったっけ!?
なんかもう、あの時はこじつけでアサルト出したクセに、この話では「必然」になってますよ。
なんて都合の良い話なんだ……っ。
とりあえずこれは、あの病院でお姫様抱っこ事件、の後ぐらいを想定していただければ……という感じです。
妊婦口説く男って……なんか、ヤラシイよね……(させたのアンタだし……)。
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